PSP版FF1

PSP用ソフト「ファイナルファンタジー」をクリアしたのでその感想など。FFシリーズの第1作をリメイクしたもので、ゲーム開始時に6つの職業から4人のパーティメンバーを自由に選択するキャラメイクや、上級職になるクラスチェンジなどが特徴的なRPGです。リメイクにあたってはグラフィックやサウンドが強化されたほか、PS1版のムービーとGBA版のシステムの変更や追加ダンジョンが入り、さらに新しい追加ダンジョンが用意されています。弟が買ってきて家にあったのでプレイしてみました。パーティー編成は戦士・シーフ・モンク・赤魔術師という攻撃型メンバーです。

グラフィックやBGMはFF1らしさを残しつつも、PSP向けに綺麗にアレンジされていて随分と垢抜けた感じです。ゲーム全体から出ていた重苦しさ も消え、かなり明るい雰囲気になりました。PSP-2000以降のキャッシュがよく効くようで、1度ロードが終わってしまえばスワン版以上ものテンポの良 さを実現しているのも嬉しいところです。GBA版で行われたシステムの大幅な変更によって、やや取っ付きにくいゲームだったFF1がかなり遊びやすいゲー ムになっています。特に大きいのは、MPが回数制から数値制に変わったことで、難易度は下がったものの遊びやすくなりました。また、偏っていたジョブごと の強さのバランスが多少平均化されたような感じがしました。

オリジナルと比べると、難易度が低すぎるように思えました。回復アイテムの種類 や効果が大幅に強化されたほか、魔法がMP制導入で使いやすくなった上に威力が全体的に上がり、レベルアップの高速化で敵は弱くなり、MP回復アイテムは 安くて買い放題で、しかもアイテムが安くなったせいで金は貯まりまくりです。さらにどこでもセーブが可能になったため、オリジナルでは高難易度だったダン ジョンも難なく攻略できてしまいます。オリジナルが難しかったとはいえ、これはさすがにやりすぎでしょう。普通のRPGとして見ても簡単な部類に入りま す。ただ、ラスボスだけは大幅に強化されていて驚きましたが。

ダンジョン内のエンカウント率の高さは昔のゲームそのもので、逃走成功率も昔 ながらの低さなので結構イライラさせられます。特に追加ダンジョンのエンカウント率は高すぎます。追加ダンジョンは、GBA版で追加されたものは宝などが ランダムで配置されるために、かえって探索の楽しみがありません。そのくせやけに深いので、逃げまくりで駆け抜けるというプレイスタイルになりがちでし た。PSP版の追加ダンジョンは、仕掛けが面倒くさいばかりで大して面白くなく、そのくせセーブや脱出も一切出来ないという前時代的な仕様でした。飽きた から帰る、ということすらできず、全くやる気になれませんでした。

見た目は綺麗になって遊びやすくなってはいるものの、中身は古臭いのにヌ ルいという、なんとも微妙なゲームでした。追加要素は取ってつけたような感じで、大して面白くもありませんでした。オールドファンが懐かしさでプレイして も、雰囲気やゲームバランスが違いすぎて楽しめないかもしれません。最近FFシリーズのファンになってFF1も体験してみたい、という人がちょっとプレイ してみるにはいいかもしれません。