FFレジェンズ光と闇の戦士の感想 – ボリューム満点の昔風RPG

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Android用アプリ「ファイナルファンタジーレジェンズ 光と闇の戦士(公式サイト)」の感想など。元々は完全新作のガラケー用アプリだったものの移植で、当時は1年以上にわたってシナリオが配信されていたものです。スマホ版では1本のゲームとしてまとめてあり、それにともなってバランス調整などもされているようです。FF5風のジョブシステムや光の戦士・闇の戦士の2パーティを交互に操作するストーリーが特徴です。FF4アフターの後継作品にあたるのかな。

せっかく移植されたのだからと随分前のセールで買って少しプレイして以来、長いこと積みっぱなしになっていましたが、最近やっとクリアしました。アプリとしては圧倒的とも言えるボリューム満点の昔風RPGでした。

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見ただけで分かるこの昔っぽい雰囲気。よくツクールっぽいと言われるリメイク版の雰囲気は好みが分かれそうです。ドットのキャラがちまちま動きながら、少な目の台詞であっさりと進んでいくストーリーの雰囲気は、スーファミ時代を思わせるような昔のイメージです。これぐらいが懐かしくて丁度いいのですが、さすがにシンプルすぎるような。BGMも昔っぽさのある王道RPGのもので雰囲気にマッチしていました。

ストーリーは一区切りごとに光の戦士側のパーティーと闇の戦士側のパーティーを交互にプレイしていく形になっています。ガラケーアプリ時代に順番に1話ずつ配信された名残でしょう。アーク精霊の黄昏のように王道の光と、ちょっとダークな闇の対比という構成です。おかげで普通に遊べば40時間は突破するような大ボリュームになっており、コストパフォーマンスは抜群ですね。

1話ごとに完結する上に2パーティを交互に進める形なので全体としての展開が遅く、中盤はちょっとマンネリ化が気になりました。どの章も1つダンジョンを通過して街へ行き、ダンジョンを2つぐらい攻略して終わりです。また、昔のFFの用語や展開を踏襲している箇所が多く、変に同人っぽさを感じてしまいました。ここは昔のFFファンをターゲットにしたゲームということでファンサービスの意味合いが強いのでしょうけれど。

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システムはFF5のものをアレンジした、いつでも転職可能なジョブ&アビリティシステムが導入されています。アビリティにはそれぞれコストが設定されており、本家のFF5と比べて効果が地味なアビリティでも活用するチャンスが増えました。さすがに昔ほど強力な組み合わせはできませんが、それでも好きなジョブとアビリティを組み合わせて自由な編成を楽しむことができます。パーティーが2つあるので、それぞれ別の編成を楽しむことも可能です。

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戦闘もこれまた懐かしい雰囲気のアクティブタイムバトルを採用。リアルタイムでゲージが貯まっていき、満タンになったら行動可能になるシステムです。魔法などの発動にも時間がかかるのはFF4に近いか。それ以外は割とシンプルなコマンド式で、高速オートバトルなんかも搭載されていて遊びやすいです。タッチ操作とこの戦闘システムの相性はちょっと悪いですね。特にコマンドのスクロールが厄介です。

序盤からザコ敵がヌルすぎない程度の強さに設定されていて、なかなか緊張感があります。全体攻撃やカウンター、状態異常などをバンバン使ってくるので力押しはなかなか難しいです。一方で強敵であっても状態異常や属性の耐性には穴があり、それを見つけて攻めれば楽に勝つこともできるのが面白いところです。MPの消耗を最小限にしながらセーブポイントを目指す、昔っぽいダンジョン攻略の楽しさが味わえます。ただ、敵の弱点が偏りすぎな気はしました。

全体としてみると、FFのシステムを借りた昔風RPGといったところです。さすがに最先端というものではないので、当時FFに抱いた印象と違うのは仕方ないでしょう。スーファミ時代を懐かしむFFファンが一度は想像する「理想のFF」を形にしたものに思えました。ハードの選択以外は。3DSあたりに移植されたら面白いんですけどね。そうしたら昔のFFファンがどんな反応をするのか見てみたいです…。元々が制限の多い携帯アプリだったことと、10回以上に分けて配信されていたことを理解すれば、値段以上に楽しめるかと思います。