2008年4月の雑記

2008年4月30日(水):64!

最近、ニンテンドー64が小さなマイブームです。といっても、値段が下がりに下がったソフトをたくさん仕入れてきただけなのですが。ちなみにそのソフトは…

…こんなに買ってどうするんだ。とりあえず、メモリー拡張パックを装着してみることにしました。メモリー拡張パックをセットする端子には、最初はターミネータパックというものがセットされており、それを外さなくてはなりません。本来は「イジェクター」とかいう、パックを取り外すための専用工具がついてくるらしいのですが、箱説なしソフトとメモリー拡張パックだけというセットで、イジェクターがついていませんでした。ターミネータパックは結構固く、指を引っかける場所もないため、手で取り出すのは極めて困難な模様。ネットで検索してみたら、何か別のものでテコの原理で古いパックを取り出せばいいとのこと。

そんなわけで最初に取り出したのは割り箸。ゲームソフト端子側にある、イジェクターを引っかける溝に割り箸の先を入れ、力を入れると…見事に割り箸が負けました。ターミネータパックは軽く浮いたような気もしますが、割り箸でそれ以上は難しそうです。次に取り出したのは長めのマイナスドライバー。こいつで同じように溝に引っかけて持ち上げると…ミシミシという恐らくパックが抜ける音が聞こえ、あとは手で取り外すことに成功しました。本体へのダメージがあったのかどうか分からないのが怖いところ…。

メモリー拡張パックのセット自体は、ただ押し込むだけで簡単でした。メモリー拡張パック専用のドンキーコング64は見事に起動しましたし、他のソフトの起動にも何の影響も与えていない模様。作戦は成功です。ただ、イジェクターはあるに越したことはないでしょうね。今さら64のメモリー拡張パックを交換する人は少ないとは思いますが、やるならドライバーです。ただし、本体やドライバー、ターミネータパックにダメージを与える可能性があるので自己責任でお願いします。ちなみに、メモリー拡張パックに対応したドンキーコング64ですが、さすがに他の64ソフトより映像が滑らかですね。

これだけソフトがあれば、64ももう一度活躍できるでしょう。ラスボス直前でクリアせずに終わった時のオカリナあたりも、最初からプレイしてクリアしておきたいですし、せっかくメモリー拡張パックがあるのだからムジュラの仮面をやってみたい気もします。64とてまだまだ遊べますね。

2008年4月29日(火):カービィ64

NINTENDO64用ソフト「星のカービィ64」をクリアしたのでその感想など。星のカービィシリーズの一作で、3Dグラフィックを使って2Dアクションのシステムを実現したようなアクションゲームです。カービィシリーズのアクションに加え、2種類のコピー能力を合成して新しい能力を作る「コピー能力ミックス」と、敵を持ち上げて能力を借りたりできる「リフトアップ」というシステムが採用されています。カービィ3をクリアした直後に、たまたま中古ソフトが100円で売っていたので思わず買ってしまいました。

最大の特徴とも言える3Dグラフィックですが、慣れるまでさほど時間はかかりませんでした。カービィ3ほどの味はありませんが、それでもカクカク感をさほど感じさせず、カービィのほのぼのした雰囲気が出ていました。3Dであることを生かしたギミックもいくつか入っています。特に3Dにする必要はないものの、これはこれでありでしょう。

新システムの「コピー能力ミックス」は、通常のコピー能力よりも強力な上に、そこそこバリエーションが豊富で、それぞれの個性がありつつも結構遊び心のある、なかなか面白いシステムでした。収集要素のクリスタルを集めるためには、様々な種類のコピー能力ミックスを使う必要があるステージ構成になっており、おそらく一度も見ないまま終わった能力はほとんどないと思います。基本アクションにも調整が加えられており、飛びっぱなしでクリアのような安易なことはできなくなったことや、ボス敵が形態や攻撃パターンを変化させるなど、何も考えずに安易に突破というパターンが通用しにくくなったのは好印象です。特にレベル6のボスは動きを把握するまで、なかなかの苦戦を強いられましたが、動きを一つ一つ理解すれば無理なく倒せるいいバランスでした。

割と淡々としていたカービィ3と比べると、ギミックや演出などを強化することで、ステージ構成やクリアまでの展開が単調にならないような工夫もしっかりしてありました。操作の異なる乗物などがアクセント程度に入っているのは悪くありませんし、1レベルクリアするごとに入るムービーはストーリーと関係のあるものになりました。その一方でミニゲームが本編から独立したことで、ミニゲームをクリアしないと本編の達成率が上げられないという理不尽な思いをすることもなくなりました。全体的に遊びやすくなったと言えるでしょう。

しかし、ゲーム全体としては物足りなさが残りました。ステージ数が少なく、難易度が低いため、かなりのボリューム不足を感じました。いくら誰でも遊べるアクションとは言え、たったの2日で達成率100%を取れてしまい、あまりにも短すぎるという印象を受けました。難易度もコピー能力ミックスによってカービィが強化されたのに合わされていないのか、強力なコピー能力ミックスを振り回しているだけでクリアできてしまうことが多く、アクションで苦戦した箇所はほとんどありませんでした。

3D化による弊害もいくつか見受けられました。3Dゲームに多くあることですが、やっぱり操作に対するレスポンスの悪い部分があり、特にとっさの振り向きが効きにくいのが厄介でした。ところどころに斜め視点から見たエリアがあり、距離感覚が掴みにくかったり、先が見づらかったりする箇所もありました。これは3D化と関係あるのか分かりませんが、ダッシュ速度や浮遊速度に2D時代のようなスピード感がなくなり、レスポンスの悪さと相まってテンポが悪くなってしまいました。

予想以上に遊びやすく、楽しい要素が多いアクションなのですが、もうちょっとステージ数が多ければよかったですね。アクション初心者でも十分楽しめるとは思いますが、これをカービィシリーズの入門用として薦められるかというとこれまた微妙なところです。シリーズ経験者で、雰囲気重視の人なら楽しめると思います。最近VCで配信されたようなので、ポイントに余裕があるなら試してみても損はないかもしれません。

2008年4月28日(月):7周年

私がこの緑色のサイトを立ち上げてから、今日で7年が経過したようです。管理人も歳を取るわけですね。この7年間、デザインはあまりいじっていないのですが、どうも最近、これはさすがに時代遅れで野暮ったいなぁという感じがしてきました。特に先日グルガ色化をして、そっちのデザインのほうが見やすいじゃんとか、そんな気がしたのは私だけではないと思います。

とは言え、私には残念ながらデザインセンスというものがありません。新デザインを作りたくても、今の割と無難で平凡な形を崩して、より良くするようなネタがありません。最近流行っている、サイドや上部にメニューを表示したりというのも考えてはみるのですが、何を並べるべきかと考えると難しいところです。横なら同一コンテンツ内のページ一覧とか…かな?上メニューは、候補すら浮かびません。

なかなかいいアイディアが浮かばないのですが、とりあえず各ページの色の明るさを、若干落としてみました。もともと暗めに設定されていた私のブラウン管ディスプレイに合わせたようなもので、液晶とかでみるとちょっと明るすぎたかなと。もう一つは、表の罫線を細くして、黒にしてみました。今までは背景の上にセルが乗っているような感じだったのですが、見づらい可能性が高いかなと。ただ、色を暗くすると、サイト全体が暗~い雰囲気になってしまうのと、相対的に文字が眩しく見えてしまうのが心配ですね。

そんな感じでこれから1年も、スローペースで試行錯誤しながらの運営ということになると思います。攻略コンテンツのマップ作成はちょっと1ヶ月ぐらいサボってますが、そのうちまた再開する予定です。文でゴチャゴチャ書くより、1枚のマップのほうが説得力あるでしょうし。そんなわけで、今後ともみどりすたいるとちょこたをよろしくお願いします。

2008年4月24日(木):カービィ3

SFC用ソフト「星のカービィ3」をクリアしたのでその感想など。星のカービィシリーズの一作で、シリーズおなじみの吸い込み・コピー能力アクションに加え、手書き風のグラフィックや、6匹の仲間キャラと合体して繰り出すアクションが特徴的なアクションゲームです。1998年に発売された数少ないSFCソフトということで出回っている数が少ないのですが、たまたま手頃な値段で売っていたので試しにプレイしてみました。

まず目に付くのがSFCはおろか、2Dゲームでもほとんど見当たらない手書きタッチで描かれた独特のグラフィックです。ヨッシーアイランドの路線をさらに進化させたようなグラフィックは綺麗で温かみがあり、カービィの世界観としてはスーパーデラックスよりもこっちのほうが合ってるように感じました。アニメーションパターンも豊富ですし、コピー能力8種類×仲間6種類で48パターンのアクションが可能と、多彩な動きを楽しめます。アクション部分はシンプルな操作性と、ただクリアするだけなら低めの難易度で、ゲームのほのぼのとした雰囲気そのままにプレイすることができ、初心者でも十分クリアできそうです。

ゲームとしては、前作のスーパーデラックスがサービス精神旺盛で、その2年後に発売された続編ということを考えると地味すぎです。コピー能力の種類が少ない上、能力をコピーしても帽子などの変身をしなくなり、それぞれのコピー能力が多く持ち合わせていたアクションもそれぞれ1~2種類程度と少なくなっています。仲間との組み合わせはあるものの、カービィ自身の使い勝手が良すぎて、仲間を使うことそのものが制限プレイとなってしまうのではあまり意味がありません。ステージ間にストーリーなどのデモはありませんし、ステージ上に目新しいギミックなどもなく、個性のないマップが多いため、極めて淡々と進行する印象を受けました。

手軽な難易度をウリにしてはいるものの、簡単にクリアできる範囲ではバッドエンディングにしか辿り着くことはできません。真のエンディングを見ようとすると、難易度がそこそこ高くなります。バッドでも一応クリアと言えなくはないですが、これを簡単と言えるのかちょっと引っ掛かるものがあります。難易度が高い部分は、文字によるヒントがないために妙に分かりにくい謎解きや、使い勝手が悪い仲間を使わざるを得ない謎解き、つまらない上に不必要に難易度の高いミニゲームなどで、いい意味での歯応えはあまり感じられませんでした。逆に簡単なところはただ飛んでるだけでクリアできる上、やられた時の再開ポイントが多数用意されているため、ただ簡単なだけだったりします。任天堂のアクションにしては珍しくバランスが悪い感じでした。

グラフィックの持つ雰囲気は良く、音楽はカービィらしさがあり、操作も簡単と決して悪いゲームではないのですが、スーパーデラックスの2年後なだけに物足りないゲームでした。ボリュームもマップ数の割に少なく感じますし、謎解きは面白くなく、クリア後のオマケ要素もイマイチでした。カービィののんびりした雰囲気を楽しみたい人向けでしょう。

2008年4月23日(水):グル誕

4月23日はアーク2の登場人物グルガの誕生日。というわけで、今年もやりました。サイト全面グルガ色化。今まではただの色変え+αでしたが、今年はジャマイカ団のグル誕2008紹介ページのデザイン風にしてみました。インスパイヤ。23日時点で、グル色計画から他のグルガ色になったサイトも見ることができますので、是非行ってみてください。あろうことか全部で14サイトも参加してます。ちなみにウチは相変わらず24時間限定であります。

2008年4月18日(金):BUSHI青龍伝

SFC用ソフト「BUSHI青龍伝~二人の勇者~」をクリアしたのでその感想など。ポケモン等で知られるゲームフリークが開発したRPGで、不思議のダンジョンのようにこちらが一つ行動を起こすと敵も一つ行動するシステムが採用されており、日本の神話時代をイメージした世界観が特徴です。SFC末期の1997年に出たRPGだけにややマイナーで、どんなものかと思って購入してみました。

システムが普通のRPGとは大きく異なっています。通常は見下ろし型の画面で、敵に接触すると横スクロールアクション風のサイドビューバトルに突入します。戦闘時の地形や敵パーティは固定されており、その全てに目標勝利ターン数が設定されています。この目標ターン数より少ないターン数で敵を全滅させると、上回ったターン数と同じ数の「勾玉」を入手するとともに、最速勝利ターン数が記録されます。自己記録を更新すれば、その分だけさらに「勾玉」が入手できます。この「勾玉」を多く集めることがゲームの大きな目的の一つとなります。また、二人の勇者というサブタイトルの通り、戦闘では剣士である主人公と、魔物の姿に変えられた少女の2人を能力を駆使して戦うことになります。主人公は威力の高い剣での攻撃と、防御や飛び道具攻撃に使える「シメワ」を使い、仲間は主人公を持ち上げての移動や遠距離攻撃を担当します。不思議のダンジョンのようなシステムながら、高さの概念があるのが新鮮でした。

ターン制と目標ターン数によって、主人公が弱い序盤はいかに敵の攻撃を軽減するか、行動パターンが増える中盤以降はいかに素早く敵を倒すかという2種類の楽しみ方ができます。特に最速狙いは、敵の行動パターンを考え、地形を把握し、最も効率の良い作戦を構築するのが楽しいです。これは他のゲームでは一度も味わったことのない体験でした。ターン制のおかげでじっくり考えることもできますし、「勾玉」の目標個数はキツすぎない程度で適正です。さらに、一度は勝利したザコ戦でも、記録を更新すれば「勾玉」が入手できるため、ザコ戦一つ一つにも意味があって飽きにくいです。それでもこれ以上無理という最速ターン数を出したり、移動が面倒な時は、フィールド上で戦闘に突入することなくザコ敵を倒すことができるという配慮が、当時としては素晴らしいです。

行動パターンは多彩ながら、それぞれの長所と欠点がしっかりしており、敵との相性も上手く設定されています。ゲーム進行に合わせて、既存の行動の使い方に慣れた頃に行動パターンが増加・強化され、チュートリアルもしっかりついているのが親切設計です。増えた行動でクリアしたエリアの自己記録を更新する楽しみもあります。通常戦闘を大規模にしたようなダンジョンも存在し、そこはターン数の制限がなく、探索やダメージ効率を追求できるようになっています。敵はそれぞれ個性的ですし、パズル要素の強い寄り道ダンジョンもいくつかあるなど、単調にならない工夫がいくつもされていました。

演出面では意外にもBGMの種類が80種類以上と多く、特に戦闘曲はメインとなる敵の種族によって別々の曲が用意されているのが凄いです。また、重要な人物との会話や、家の中に入ったときなどに、アドベンチャーゲームのようにキャラの大きな絵が表示されるのが、SFCとしてはちょっと新鮮でした。

ただ、戦闘で中途半端に運の要素が絡んでくるのが残念でした。特に、ランダムで復活する敵や、敵の攻撃のミスなど、1ターン単位で突き詰めている時には邪魔な要素としか思えませんでした。また、攻撃アイテムの効果が非常に高く、最速を狙おうとするとアイテムを使わざるを得ないのは微妙です。アイテムは市販されているとは言え結構高価ですし、お金は基本的に草を刈って入手するので面倒です。アイテムと同等の効率をアイテム無しで実現できないだけに、これも残念なところでした。主人公が成長すると、最速を狙う楽しみが増すものの、倒される緊張感を感じられなくなりました。

インタフェース部分も改善の余地ありです。L・Rボタンを多用するメニューの使い勝手はあまりよくありませんし、画面やページを切り替える際のレスポンスが悪く、情報をチェックするのが面倒でした。また、取れる行動が多いせいか、いつも全てのボタンを駆使するため、操作に慣れるまでちょっと大変でした。マップの構成にしても、ワープポイントの数が少ない上にダンジョンまであり、あちこちを移動するのに余計な時間を取られました。草刈りでアイテムやお金を入手するシステムも、別に目新しいものでもなく、ただ面倒なだけでした。

地味なゲームですが、SFC末期にこれだけ面白いゲームが隠れているとは思ってもいませんでした。あらゆる部分で単調にならないよう、一方で投げ出すことがないように工夫されていて、飽きることなく最後までプレイできました。クリアするのが勿体無いと思ったゲームは久しぶりです。欠点は普通にクリアするだけなら、あまり気にならない部分も多いと思います。これはバーチャルコンソールで配信したらいいんじゃないでしょうか。機会があったらプレイしてみて損はないでしょう。

2008年4月16日(水):リニューアル

我らがキャトルコールの公式サイトがリニューアルされました。リニューアルされたのは見た目だけで、内容は「ななついろ★ドロップスDS」とかいうゲームの紹介が追加されているぐらいですが。ジャンル的に、さすがにこれを買うことは…ないか。このキャトルコールのサイト、今までは環境によって(?)アクセスできなかったりしたみたいですが、それは解消されたんでしょうかね。検索エンジンにも妙に引っかかりにくかったし…。

キャトルコールといえば、先日立ち寄った小さな中古屋で、「つぐない」「アークザラッド精霊の黄昏」「アークザラッドジェネレーション」が3本並べて置いてありました。やるな!

2008年4月16日(水):テクニクビートサントラ到着!

今日発売の「テクニクビート」のサントラと、まとめて注文した「テクニクティクス」のサントラが届きました。サントラ発売まで長かったなぁ。今、聴きながらこれを書いてます。ゲーム中では忙しくて聴いてるどころではありませんし、演奏するタイプの音ゲーなので、完璧な演奏を聴くのはこれが初めてです。そんなわけで、この曲はこんな曲だったのかとかなり新鮮だったりします。ゲーム中だと演奏音のほうが大きめに設定されていて、伴奏は比較的小さくしか聞こえませんからねぇ。それに、高得点を狙いに行くと曲にどんどんアレンジがかかるゲームですし。この前サントラ到着前にちょっとプレイしてみたのですが、相変わらず忙しくて楽しいです。そして相変わらずやや取っ付きにくい。でも配置とか意外と覚えていてビックリです。

CDの帯には「テクニクティクス リミックス」とやらの告知が書いてありました。これはどうしようか…。試聴でもできるようになってから考えますか。ゲームの続編もそろそろ…出ませんかね~。

2008年4月6日(日):I am 魚

EZアプリ「I am 魚」をクリアしたのでその感想など。「マグロアドベンチャー」というジャンル名がつけられており、主人公のホンマグロが一人前のホンマグロを目指すという異色のアドベンチャーゲームです。自動生成ダンジョンの「えんよう」などに行き、敵となるクラゲを体当たりで倒しつつ、素材アイテムを拾い集めて進行に必要なアイテムを合成するのが主な流れです。PS1ソフトの「moon」や「ufo」で知られているラブデリックの流れを汲むバンプールが関わったゲームで、ちょうど「moon」を買った頃に配信されて興味を持ったのですが、配信開始当初は私の機種に対応していませんでした。それが最近やっと対応したのでプレイしてみました。

「シュールでコミカル」というキャッチコピーが、実にこのゲームを言い表しています。ストーリー面では、レトロゲー感覚のシュールなイベントが最初から最後まで淡々と続きます。昔のゲームが持っていた毒のあるメッセージのオンパレードです。そしてコミカルで独自のセンスを持つキャラクター、グラフィック、アイテムのラインナップなどによって、世界観がしっかりと確立されています。なかなか個性的で新鮮ですし、こういうのが好きな人は好きそうです。

アプリとしてはテンポも良好でした。同じフロア内ならば画面の切り替えは一瞬で済みますし、戦闘はただ体当たりするだけで凄い勢いで敵味方にダメージが入って決着がつきます。アイテムがいっぱいになるまでは余計なメッセージが表示されることもありませんし、アイテム管理画面でのカーソルのオートリピートは滑らず、しかも早く快適です。手軽に遊びたいアプリだからこそ、こういう配慮はありがたいです。

ただ、テンポが良すぎるせいか、画面を切り替えたところに敵が密集していた時などに物凄い勢いで体力が削られ、ほとんど事故死状態でやられてしまうことが多発しました。脱出はメニューから常に選択できるとは言え、あっ!と思ったらメニューを開くのが間に合わないことも。画面切り替え部分以外でも、通らなくてはいけない狭い箇所に敵が密集していた場合、体力の減りが厳しすぎるように思いました。回復アイテムがあればどうにでもなるとはいえ、強い回復アイテムを合成するための素材を集めるのはなかなか大変ですし、合成の成功率が100%じゃないというのも面倒でした。どうせいつでもセーブ&ロードができるのですから、最初から100%でいいように思います。合成の素材探しも、自動生成ダンジョンに何度も入って必要な数が出てくるまで粘るだけで、単純作業になりがちでした。

世界観やシュールなストーリーには独特の味がありますが、ゲームとしては割と普通の作業ゲームという感じでした。これは主に雰囲気とストーリーを楽しむゲームなのかもしれませんね。長時間かかるようなものでもないので、公式サイトを見て「これだ!」と思った人なら、気軽にダウンロードしてみてもいいかとは思います。長くやると飽きそうで、でも飽きる前に終わった、そんなゲームでした。

2008年4月4日(金):ONI

GB用ソフト「鬼忍降魔伝ONI」をクリアしたのでその感想など。日本を舞台とした和風RPGで、主人公が忍術を使う人間の姿から、特殊な能力を使う怪物に自由に変身できるシステムと、1対1でGBとしてはかなり大きなキャラクター同士が表示される戦闘シーンが特徴的です。せっかくGB系ハードがあるので、GBならではのRPGをプレイしてみようと買ってみました。

攻撃力と技の汎用性に優れた人間の姿と、防御力が高く人間とは別系統のMPを持つ変身後の姿を、移動中・戦闘中のどちらでも、コストもターンも使わずに変身が可能というのが面白いところです。不意打ち対策に、移動中は防御力の高い姿に変身したり、ボス戦で変身し、身を守りつつ別系統のMPを使った最強技を使ってから人間に戻るなど、普通のRPGとはちょっと違った戦い方が楽しめます。戦闘中のキャラの大きさも、他のRPGとは一味違う独特の雰囲気を演出していました。

しかし、1990年のソフトとして1対1の戦闘はあまりにも単調すぎますし、ゲームバランスは大味でした。1対1ということもあり、レベルや装備の強化がダメージ量にダイレクトに反映され、自分が弱いうちはかなりの苦戦を強いられるも、多少強化しただけで敵が何の脅威にもならなくなるレベルです。もともと敵の攻撃力が高い上、敵味方ともにクリティカルが出まくるため、敵が強いと理不尽なやられかたをすることもありました。また、変身後形態の利点が防御力ぐらいしかないため、ほとんど人間状態で進むことになるのは残念でした。細かいことですが、HP計算がなぜか常に4の倍数なのが妙に気になりましたし、時々HP表示がおかしくなることもありました。1対1バトルを戦略的にする何かが欲しい所でした。

容量不足のためか、セリフやメッセージがものすごく短く、味気なさを感じました。イベントの流れを見るに、衝撃の展開とか、感動の再開とか、そんな場面なんだろうなと思う部分もあるのですが、あまりにもあっさりとしていて印象に残りませんでした。また、最終ボスがザコ敵の色違い(というか白黒ですが)でしたし、エンディングはメッセージが十数個でスタッフロールもなく終わるなど、最後まで味気なさは続きました。昔はこのあっさりとしたメッセージが「味」と感じられたのかもしれませんが、サガのような独特の雰囲気もなく…。この時代のゲームを楽しむなら、説明書や箱のイラストや世界観解説などで補完しないと辛いのかもしれません。

インタフェース部分の未熟さも気になりました。メニュー等でカーソルが滑りやすく、間違って違うコマンドを選んでしまうことがしばしばありました。回復魔法で不必要に消費MPの高いものを選んでしまったり、買ったばかりの装備品を「そうび」しようと思ったら「すてる」を押してしまったり。マップのスクロールにしても、画面端に近づかないとスクロールされないために視認性が悪く、必要以上に迷わされることがしばしばありました。また、タイトル画面で「はじめから」を選ぶと自動的にデータが上書きされてしまうという噂を聞いたのですが、デフォルトのカーソル位置が「はじめから」というのは問題ありすぎです。一度間違って押して、即電源を切ったときは大丈夫だったのでただの噂かもしれませんが、不便なことに変わりはありません。

あらゆる面で単調で味気ない印象ばかりが残るゲームでした。ちょっと変わったシステムが入っていても、結局はドラクエ1を大味にしたような感じです。バグやフラグ管理の甘さも見られましたし、音楽も和風に統一されてはいるものの、メリハリが無くて聞いていて疲れるぐらいでした。「はい・いいえ」が「おう・やだ」になってるだけで斬新さを感じた発売当初の時代なら、それなりに楽しめたのかもしれませんが、シリーズ作品を遊ぶつもりでなければ今になってわざわざプレイするほどのゲームでもないでしょう。そこそこ人気のあるシリーズということで、続編が面白いのかもしれません。そのうち試してみようとも思うのですが、全然売ってないんですよね。

2008年4月2日(水):プロスピ5

4月1日に発売されたプロ野球スピリッツ5のPS2版を買ってきました。何故か2年に1度買ってるこのシリーズです。とりあえずCPU相手に1試合プレイしてみたのですが、公式サイトでもウリの一つに挙げていた、試合中の暗転時間の短縮はホントに早くなっていてびっくりです。リアルに試合時間が10分は短縮されると思います。試合の流れが断たれるってこともありませんし、これは快適。ロード時間も改善されてるっぽいですね。1試合やった限りでは処理落ちも見られず。その分、グラフィックは一部で簡略化されたのかなと思う部分もありましたが、こだわる人はとっくにPS3版を買ってる、ってことで割り切れたんでしょうかね。こういう方向性は大歓迎です。

ゲーム部分はフライの落下地点表示が変わって、落下待ちの選手の動きがなんか滑稽に見えるとかそーいうのはありますが、基本的には4のマイナーチェンジ版みたいですね。大きな違和感は今のところないです。数年前の時点で完成度が高いゲームで、しかもスポーツゲームですから新鮮さに欠けるのは仕方ないところかな。まぁ、久々のCPU戦で2-11と容赦なくボコボコにされたので、そういう意味ではまだまだ楽しめると思います。

ちなみにPS3本体とPS3版の同時購入にしようかどうか小一時間迷ったわけですが、ハイビジョンテレビを持っていない私にとって「ゲーム機としては」初期投資が高すぎることと、PS2でもプロスピ5はできるということでPS3購入プランはあっさり消滅しました。未だにPS1ソフトをプレイしている私としては、ハイエンドなPS1としてはものすごく魅力あるんですけどね、PS3。

2008年4月1日(火):アークG

以下の文は、エイプリルフールに公開したものです!内容には大げさな誇張や冗談が含まれている可能性があります。

PS2用ソフト「アークザラッド ジェネレーション」をクリアしたのでその感想など。アークザラッドシリーズの最新作で、初のオンライン対応作品です。前作「アークザラッド精霊の黄昏」の5年後の世界を舞台に、新主人公エッダがハンターとなりギルドの仕事をこなしていくスタイルのRPGです。アークザラッドシリーズの過去のキャラクターから20体以上が登場するほか、戦闘はシリーズ初のアクションバトルが採用されるなど、内容が一新されているのが特徴です。オンラインでは最大4人での協力仕事や最大8人での対戦が行えますが、サービスは終了してしまいました。アークザラッドの最新作、しかも予約特典は「アークザラッド ヒストリーディスク」というDVDがつくということもあり、当時存在したPlayStation.comの通販サイトでプレ予約までして購入しました。

初採用されたアクションバトルですが、これがなかなか軽快で迫力あるバトルができます。アクションRPGの戦闘はボタンの連打になりがちですが、一段ごとに性能の異なる連続攻撃が出せることや、ダウンさせた敵が起き上がるまでに時間がかかるなどの要素により、メリハリのあるアクションになっています。名作ゼルダの伝説のようなロックオン機能があるので、3Dながらも攻撃が当たらないということもありませんし、タックルで敵の動きを止め、ステップワークで敵の攻撃を避けながらこちらの一撃を当てるなど、爽快感も抜群です。タフな強敵相手には、アークシリーズの旧作を思わせるようなド派手で強力な特殊能力を使って、通常攻撃など目じゃないような大ダメージを与える楽しみもあります。特殊能力の中にも旧作風のものとオリジナルのものがあり、マンネリを感じさせません。

アクション周りの操作性やルールも洗練されています。R2+各ボタンというシンプルな操作による特殊能力の使用は、初心者でも簡単に技が出せる点で優れています。ロックオン時のL1・R1による横ステップも直感的です。△ボタンで消耗したMPのようなCPをタンクから補給するという要素は、強力な特殊能力を何も考えずに連発するという戦法が通用しないよう調整されています。△ダッシュにしても、従来のゲームのようにただ走ればいいというのではなく、全速力で障害物に当たれば当然転ぶというリアリティもありますし、敵に発見されてロックオンされると使えなくなるという要素があり、ただ逃げるだけという安易な作戦が難しくなるのが面白いところです。

アクションバトルということで、従来のバトルに慣れたプレイヤーにとっては難易度も心配されるところでしたが、アクションの得意な人ならサクサク進むことができ、いくら苦手でもアイテムを合成し、アビリティを惜しまず使っていけばクリアできるような丁度いいバランスでした。レベルという概念が存在しないため、敵が手ごわいと思えば戦闘を回避するということが可能なのも、アクションバトルならではの恩恵です。

旧作のキャラが20体以上登場するというのもファンにとっては嬉しいところです。精霊の黄昏のキャラだけにとどまらず、もともと2Dだったシリーズからも各作品から3人程度のゲストが出ており、集めるだけでも「誰が選ばれているんだろう」と想像する楽しみがあります。もちろんあの美男鋼鉄メカも登場します。初のアクションでキャラが20体以上登場するということで、ゲームバランスの崩壊も心配されるところですが、装備や特殊能力がカードという汎用装備になったことで、どのキャラクターでも強力なカスタマイズができるようになりました。これによって、どうしようも無い弱キャラになりそうなキャラでも、強力な爆弾を投げることができるなど、自由度とバランスの両立に成功しています。各キャラが最低限の強さを持ちながらも、専用技やパラメータ、モーションの違いといった個性もあり、キャラの好みやプレイスタイルによってどんなキャラでも選ぶことができるのが素晴らしいです。ボイスもちゃんと入っており、一部に新規ボイスが入っているキャラもいる上、基本はオリジナルのものを使用されていて、懐かしさ倍増です。

世界観にしても、歴史のつながるシリーズ作品として多くの制約がある中、カードという概念の導入によって閉塞感を打ち破っています。装備をカードにしたことにより、キャラごとの装備を集めるために無駄な金稼ぎに追われたり、アイテム数が不必要に増えたりすることがなくなっています。特殊能力についても前述の通り、キャラ間格差を無くす効果もありますし、エルクがダイヤモンドダストを放つといった夢の組み合わせも実現できます。キャラもカードの実体化という概念によって、旧作キャラと新キャラが矛盾なく同時に登場しています。また、カードという要素はアーク3の代表的な要素の一つでもあり、アークらしさを実感しながらもコレクションする楽しみもあるもので、よく導入してくれました。

カードに加えて邪霊モンスターという概念が導入され、これによって除霊師である主人公の強さと特殊性が引き立っています。さらにはストーリーでも重要な役割を担い、システム面でも除霊しないと倒せない強敵として登場したり、除霊によって得たポイントをキャラカードの強化に使えたりと、世界観・ストーリー・システムの三者にうまく関係います。旧作のストーリーでエネルギーがないなどの条件を出されながら、これだけRPGとして成り立つ世界を作るのは容易ではなかったことでしょう。

また、精霊の黄昏のマップやBGMを多く使用しており、懐かしさと同時に細かい違いを見つけるといった楽しみ方もありました。あちこちに点在するヘモ穴も、町をただの補給所から探索の対象に変えたという点で有意義です。中で得られる情報も攻略上重要ですが、無くてもクリアできる優れたバランスです。そしてモフリーかわいいよモフリー。ほかにも、精霊の黄昏で破壊された場所に行けたり、町の人のメッセージが細かく変化し、選択肢によっても変わるほか、人間と魔族が戸惑いながらも共存を始めている姿が見られるなど、見所満載です。

ギルドの復活はシリーズのファンの期待に応えてくれました。アーク2、3、機神復活と大きな役割を担っていたギルドが精霊の黄昏で廃止されたことにより、ボリューム面でやや不満があったのですが、それを2や機神の自由に請けられるシステムと、3のシナリオに絡むシステムとを融合させ、しかも何度でも請けられるという仕様となり、やり込み派にはたまりません。フリーバトルエリアとギルド仕事が統合されたことも、何の用事も無いのに敵が出る草原に寄り道する勇者様御一行という、既存のRPGの不自然な点を解消したといえるでしょう。そして、ギルド仕事クリア時に世界観を解説する文章を読むことができます。ゲーム本編に関係ない部分まで徹底的に作り込まれた側面を知ることができて興味深く、あらゆる仕事をクリアして奥深い世界観に触れたいと思わせてくれます。

アーク2と3で奥の深さを演出したアイテム合成も復活し、それをカードの合成という形にしたことで、カードコレクションの楽しみがさらに増すと同時に、やり応えのあるボリュームとなりました。法則性を考えたり、意外性のある組み合わせを試す試行錯誤を繰り返すのは楽しいですし、合成は2枚のカードの合成のみで、組み合わせに失敗しても使ったカードが無くならないといった、複雑になりすぎない仕組みもきちんと用意されて遊びやすいです。うまく出来なくてもクリアは十分可能で、やりこめばさらなる強さが得られるバランスは、この手のやりこみシステムの理想的な形ではないでしょうか。

ストーリーは世間知らずでお人よしな美男の主人公にどこか好感がもてますし、時に苦悩する姿を見せるあたりにも等身大の魅力を感じます。父と娘の絆が一つのテーマなのか、親子の関係を描いた感動的な話が数多く盛り込まれています。歴史の長いアークシリーズですから、昔のアークファンの中には既に親となった人も少なくないでしょうし、そういう人にとっては特にじーんとくるものがあるのではないでしょうか。また、テンポよく次々と新展開が登場し、一気にラストへと持ち込む展開には引き込まれました。精霊の黄昏の5年後ということで、前作の主人公たちのその後を見られるのがいいですね。

そして演出もなかなか新しく、一見ムービーのような画面構成ながら、自分でボタンを押してメッセージ送りができるようになっているパートが多数存在します。ムービーが勝手に進んでストーリーが理解できなくなるということもなければ、ボイスがうるさくて家族の前でプレイできないこともありませんし、突然音量が変わってボイスが聞き取れないこともないなど、最近のボイスの力に依存したRPGにありがちな欠点を克服しています。それでいてSTARTを押すとスキップできるのは、ミッションに失敗した時や、2周3周と遊び続ける上で嬉しい配慮です。スローモーションをコマ送りで見せるという手法も斬新でした。

演出に関連して、プロモーションムービーの出来栄えが抜群でした。アークシリーズの懐かしいシーンに始まり、新作ジェネの見所を紹介し、今作に登場する旧作キャラの映像で締め括るという流れが、ゲームの魅力を紹介するのに最適な形だったと言わざるを得ません。そのBGMはオーケストラによるアークザラッドのテーマの新アレンジバージョンで、懐かしのシーンでは落ち着いたスローバージョン、今作の紹介からは壮大なバージョンと、2曲の使い方、繋ぎ方、映像とのシンクロ具合などにおいてレベルが高く、ムービーを何倍も魅力的なものに仕上げていました。これによって発売直前の私のテンションの高さは、シリーズを通してもナンバーワンクラスでした。

ムービーで使われたもの以外でも、BGMも素晴らしいものが揃っています。今では大作志向のRPGはオーケストラ、マニア向けのRPGはロック系と、音楽の使い方が決まりきっている感があります。しかし今作では、オーケストラの重厚な曲もあればギターがメロディを奏でる曲もあるという精霊の黄昏のBGMを継承しつつ、新キャラクターや新イベントのイメージにマッチした新曲や、ムービーでも使われた新アレンジのテーマ曲などが追加され、非常にバリエーション豊かなBGMとなっています。春風のようなエッダのテーマ、秘められた過去を思わせるキリカのテーマ、陽気で力強いヘモのテーマ、どれもキャラクターの魅力を引き立てます。映画のようなRPGもいいですし、泣かせるメロディと激しいビートのボスバトルというRPGもいいですけど、何でもありの世界観がウリのアークザラッドには、この多様なBGMこそ相応しいです。

ロード時間や移動なども快適です。ゲームを開始したら、まずは動くのに必要な情報を読み込み、それ以上の情報は動けるようになってからバックグラウンドでロードしているっぽいですし、建物に近づくとこれまたバックグラウンドでロードをしているようで、3Dゲームの割に町中でのロード時間を感じさせません。戦闘のあるエリアでも、最初に一括して読み込んでいるようで、その後は画面を切り替えてもストレスはありません。また、ワールドマップやエリアマップでの移動は場所を選ぶだけのシンプルで分かりやすいもので、目的地と町以外は表示されない上に、目的地はワールドマップ上にも表示される親切設計です。さらに地名に関しては精霊の黄昏のものを受け継いでおり、RPGでありがちな、地名の固有名詞が多くて行き先がわからないという事態は起こりにくいです。

オンラインはなかなか熱いものでした。旧作のキャラが20体以上登場するのは、オフラインよりもオンラインのためにあるようなもので、アークキャラを使ったキャラチャットがPS2でできるというだけでも魅力的です。オンラインゲームの中にはひたすら廃人級のレベル上げを要求されるものが多いようですが、このゲームではレベルという概念がなく、好きなときに参加して好きに遊んで帰るという、気軽な遊び方が可能なのが好印象です。息抜きのはずのゲームで人生を壊したら勿体無いですからね。

まずは最大4人で挑む協力仕事ですが、他のプレイヤー4人とコミュニケーションを取りながらのアクションバトルというだけで面白いです。全員フル装備で挑み、力を合わせて群がる敵をバッサバッサとなぎ倒す爽快感はたまりません。やり応えが欲しいとなれば、全員の装備を全て外したり、何らかの制約を設けたりして挑めばほどよい緊張感も楽しめます。猛烈に強い敵にガツガツと挑むのではなく、プレイスタイル次第で難易度を調節し、ゆるく遊べる場というのは貴重でした。また、4人パーティに見立てて原作をイメージしたチームを組んだり、ドリームチームを組んだりという楽しみ方もありますし、オフラインでは入手が難しい一部のアイテムを多数入手できるのも盛り上がるポイントでした。

一番盛り上がったのは、最大8人のバトルロイヤル形式または、最大4人vs4人で遊べる対戦でした。これまたプレイスタイルに応じて、ハメでも全回復技でも何でもありの本気の闘いや、ハメや回復を禁止してゆるい対戦といった遊び方を、プレイヤーが自主的に選択できるのが魅力です。特にバトルロイヤルではポイント等も入らないため、適度に遊びを織り交ぜながら楽しめるのが、コミュニケーションツールとして適していました。オフラインのほうで書いたように、特殊能力を自由に装備できるシステムによってキャラによって絶対無理というほど弱いということもなく、異様にスピードに特化したガンツとかを披露するのには最高の場でした。

ただ広場があるだけでも盛り上がるのに、さらに期間限定でイベントが発生するのがいいアクセントになりました。ロビーの飾り付けが変化しましたし、期間限定でなかなか燃えるシチュエーションの仕事も開放され、継続するいい刺激になりました。特に無装備で挑むVSヒロインチームには燃えました。ある頃からはアークGオンラインレポートというオンラインに関する週刊ニュースが公式サイトに掲載され、ランキングの高いプレイヤーから無名のプレイヤーまでを取り上げる仕組みや、管理人さんの気さくな人柄もあって、オンラインゲームならではのゲーム本体とは違った場所での楽しみも味わうことができました。ファイナルイベントにはアークG管理人さんも現れ、そのユニークなキャラクターは今でも語り草となっています。

あえてこのゲームの問題点を挙げるとすれば、オンラインのサービス期間の短さと、オンライン接続関係の不具合でしょう。オンラインゲームはその性質上、サービスが終了してしまうとこの世から完全に消滅してしまうわけで、今となってはオンラインの世界に触れることは全くできないのが残念です。新たに興味を持った人がいても、昔を懐かしみたい人がいても、パッケージのオフライン専用ソフトと違って、遊ぶ方法が存在しないのですから。また、オンラインに接続できないバグがあったせいで、発売直後という最も盛り上がる時期を逃してしまったのは痛いところです。より人数が多ければ、また状況が変わった可能性もありますし、勿体無い話です。薄型PS2の発売日という絶対に動かせない期日があったのは、このゲームにとっては不幸な出来事だったのかもしれませんね。

ちなみに、予約特典のヒストリーディスクは、PS系ハードで出た旧作のオープニングムービー、キャラ紹介、商品情報が各作品分収録されており、懐かしさで胸がいっぱいになりました。これとDVDプレーヤーさえあれば、アークシリーズのムービーを気軽に見ることができる逸品です。さらにPlayStation.com専用の予約特典のカレンダーは、なんと他ではあまり見ることができない書き下ろしのイラストが使われており、普段の公式イラストとは一味違った魅力のあるものでした。

ファンサービスが充実しつつも新しい試みを積極的に取り入れ、それでいて設定・ストーリー・システムそれぞれが浮くことなくゲームデザインにマッチしている稀有な作品でした。プレイヤー次第であっさりしたゲームにも、やり応えのあるゲームにもなる自由度に加え、オンラインまでもあるという充実ぶりは凄いです。またオンラインやりたいですね。個人的には、アークザラッドスタッフから我々アークザラッドジェネレーション世代に送られたメッセージだと受け止めました。メッセージからボイスまでローカライズし、ナムコの海外法人がわざわざ「Arc the Lad : End of Darkness」として発売したのもうなずける話です。アークザラッドの暗黒時代は終わりを告げました。全く新しい作品でも、オンラインができる続編でも、アーク2を発展させたような続編でも、リメイクでも、我々は待っています。

みどりすたいる雑記>2008年4月
最終更新:2008年4月30日 制作:ちょこた