2008年6月の雑記

2008年6月30日(月):フライハイトクラウディア2

EZアプリ「フライハイトクラウディア2」をクリアしたのでその感想など。前作「フライハイトクラウディア」の数ヵ月後を描いた続編で、前作の空の世界に加えて雲の下の世界も舞台になっているほか、システムやグラフィックが強化されています。前作の特徴だった超高速戦闘や、行動ごとにスピードが決められている「マルチウェイトバトル」は引き継がれています。以前にストーリーの繋がっている前作をプレイし、その続きということでプレイしてみました。

前作で不満だった点の多くが解消され、非常に遊びやすいゲームとなりました。超高速戦闘の代償として何が起こっているのかわかりにくかったのですが、戦闘速度がオプションで変更できるようになり、ボス戦だけスピードダウンなんてこともできるようになりました。さらに、オートバトルは常に最速になるというのがいい設計です。分かりにくかったダンジョンは、マップを入手することでワンボタンで地図が見られるようになりましたし、イベントの自動メッセージ送りにはポーズ機能がつきました。一方、戦闘のテンポの良さや、防御によるMP回復、豊富な隠し要素などの良かった部分はそのまま引き継がれています。前作の反省点を十分に生かした丁寧な作りで好感がもてました。

新システムの隊列変更や属性は、最近のRPGにはほとんど入っている要素ですが、シンプルにまとまっていました。その分、あってもなくても大差ないとも言えますが、入ったことによる問題は特にありませんでした。細かい部分では、補助系の特殊能力が増えたり、セーブデータ数が増えたり、行き先メッセージが表示されるようになったりと、アプリのRPGとして地味ながらも確実に進歩している部分が随所に見られました。また、グラフィックがかなり向上し、ドットキャラの躍動感やマップの雰囲気が非常に良くなりました。

しかし、ゲームバランスや敵の分布がやや悪いのが気になりました。特に終盤はボス敵が妙に強い割に、ザコ敵から得られる経験値が少なめで、レベル上げ作業を多く要求されてしまうのが微妙なところでした。まだまだ戦略性に乏しく、レベルが足りないとどうにもならない局面があるだけに、ちょっと残念です。逆にレベルさえ上げればどうにでもなるのですが。また、一度クリアしたダンジョンの宝箱を回収すべく再探索に入ったら、クリアした時よりも敵のLvが10も上がっていたり、ちょっと寄り道をしたらとてつもなく強い敵に出会ってしまったりと、ものすごく不親切な部分がありました。好評の隠し要素に関係しているのでしょうが、まず隠し要素ありきという設計はちょっと違うのでは。唐突に強い隠しボスが出てきたり、それを後回しにしたら後戻りできなくなったりというのも納得行かないものがありました。ダンジョンが複雑なだけに、せめてクリアした直後のダンジョンぐらい、普通に探索させてくれてもいいでしょう。

シナリオ面でも、容量が増えて表現力が増したというのに、前作からの進歩が見られませんでした。演出やセリフが前作と比べても陳腐で、どこかで見たようなものが微妙にズレたタイミングで連発されるので、妙な安っぽさを感じてしまいました。RPGのパロディとして笑わせるのが目的だと言われても信じそうなレベルです。3部作の真ん中ということもあり、前作をプレイしていないと分からない部分が多く、終わり方はアーク1並に続編を前提とした中途半端な終わり方で、盛り上がるポイントが見当たらないのも残念です。前作は露骨な続編への伏線が唐突に出てきたものの、一応完結していたのですが。

続編ということでグラフィックやシステムなどはマイナーチェンジで良くなったものの、その他の部分ではあまり進化が見られませんでした。レベルアップの遅さや、敵がなぜか強くなるのは、隠し要素のボリュームを意識しすぎたのが原因のように見えてしまいます。ストーリーも真ん中だけということで、不完全燃焼気味です。この2を単体でプレイすることはおすすめできません。話は次の3で完結するようなので、そのうちプレイしてみようとは思います。

2008年6月23日(月):フロントミッション2089BoM

DS用ソフト「フロントミッション2089 ボーダー・オブ・マッドネス」をクリアしたのでその感想など。携帯用アプリのオリジナル作品として配信されている「フロントミッション2089」をDSでリメイクしたシミュレーションRPGで、フロントミッション1STのシステムをベースにし、アプリ版よりもストーリー性やシステムが強化されています。あまりプレイする機会の無いアプリからの移植という珍しいパターンで、発売前からそこそこ楽しみにしていました。原作のアプリ版は未プレイです。

操作感覚やシステムがDS版1STを改良したものとなっており、機種を問わず1STをプレイした人ならば迷うことなくプレイできます。アプリからの移植で、しかもハードがDSならこれぐらいで十分でしょう。1STをベースにしながらも、レスポンスが少し良くなっていたり、強力すぎたスキル「Duel」「Guide」の性能が多少調整されていたりと、細かい部分で改善されています。また、4th以降の作品から採用された「リンク攻撃」は、1STのシステムに上手く合わせて作られており、使いどころの難しさと意外な効果の高さのバランスが取れていました。その他、セットアップ画面でソートが可能になったり、タッチペン操作のしやすそうなデザインになったり、DS版1STの欠点を解消しようという姿勢が見られました。

ミッションは護衛や索敵などのバリエーションが多く、序盤から中盤にかけては程よいタイミングで高難易度ミッションが入り、単調になりがちな展開にメリハリがついているように感じました。シナリオはキャラがやや軟派ながらも、フロントミッションシリーズの雰囲気と、シリーズ作品との関連性を鬱陶しくない程度に出していました。基地で仲間などの会話が聞けるのがちょっと楽しいです。3rd以降と同様に出撃人数が少なめで、サクサク話が進むのもDSにマッチしています。アプリ版とは設定などが多少変わっているようですが、特に違和感などはありませんでした。

一部のインタフェースは多少改善されたものの、大幅にリニューアルされたセットアップ画面の使い勝手が非常に悪いものでした。慣れるまでは意味が分からないほどです。分かりにくさに加え、該当アイテムが無い場合やソート種類を切り替えた直後のメッセージをいちいち送るのが面倒臭いです。相変わらずデフォルトのアイテムの並び順はグチャグチャな上、ソートがあっても絞込みが無く、新商品のNewマーク表示は何故か削除され、スクロールは遅いので、ショップのアイテムが増えてくると探すだけで一苦労です。せめて種類別表示と新製品のみの表示があれば多少使い勝手も違ったのでしょうけど。また、タッチペン対応が強化された反面、キャンセルなどのボタン操作が面倒くさくなってしまった部分もありました。

ゲームバランスも悪かったです。序盤から簡単なミッションと難しいミッションの差が激しすぎますし、中盤以降は1STと全く同じようにパーティが強くなりすぎてしまい、完全にバランスが崩壊してしまいます。スキルの調整の他にも、ボス級の自動回復や2回行動などで補おうとはしたのでしょうが、1STの欠点がそのままというのは非常に残念でした。自動回復はむしろ経験値稼ぎに使えてしまいますし。一方で護衛ミッションの類は、初見では確実にゲームオーバーになるような変な難しさでした。2nd以降のシリーズで採用されている属性システムの導入はいいのですが、敵の属性防御が、ザコは貫通、ボス級は炎熱、と偏りすぎていてイマイチでした。シリーズ作品は多数作っているのですから、もっとバランスを取る方法があったのではないでしょうか。

ミッションをひたすら請けていくアプリが原作のためか、基地とステージを往復するばかりで、ストーリー性が若干弱く感じました。序盤は練習レベルのミッションと妙に少ない入手経験値でテンションが上がらず、終盤は盛り上がりに欠ける妙にあっさりした終わり方とバランス崩壊で、不完全燃焼な感じでした。モバイル版公式サイトには外伝ミッションなるものが載っているのですが、これは未収録みたいですね。ちょっと残念です。

シンプルながらも出来のいい1STがベースなので、シリーズの1作としてはまずまず楽しめましたが、何とも地味なゲームでした。公式ブログでも予算が少ないようなことを書いており、まさにその通りの作りになっていて、シリーズの将来が心配になってきます。スクエニ作品にしてはムービーもなければ、大した宣伝もありませんし。シリーズのファンなら外伝としてそれなりに楽しめるとは思います。ただ、アプリをまとまった形で携帯ゲーム機にリリースするという形は、これからも続けてほしいものです。よりシステムとバランスに改良を加えてくれるなら、2089-IIのリメイクも期待したいところです。

ちなみに、スタッフロールにアークザラッドシリーズのキャラクターデザインをしている国末氏の名前が出ていました。モバイル版は国末氏のデザインで間違いなさそうです。

2008年6月14日(土):ペプシブルーハワイ

夏といえばコーラ。というわけで、毎年恒例となりつつあるペプシの期間限定コーラ「ペプシブルーハワイ」を飲んでみました。数年前の「ペプシブルー」と同じように、まるでポーションのような美しい青色をしてます。「着色料(青1、赤40)」って書いてます。味はPINEAPPLE&LEMONだとか。もちろん無果汁。

キャップを開けた瞬間、なんとも作り物っぽいパイナップルの香りが広がります。結構強い香りかも。お味のほうは…カンヅメのパイナップルみたいな感じ…?で、後味にわずかながらレモンライム系ソーダのような味がするようなしないような。これは、パイナップルソーダと言ってよさげですね。と言うか、これをコーラと言っていいんだろうか。コーラだとはどこにも書いてませんけど。この手のドリンクの定番どおりちょっと甘さが強いですけど、これは無理って味でもないですね。去年のキュウリ味ほどのインパクトはなかったなぁ。

2008年6月10日(火):携帯アプリ

最近の携帯アプリはなかなか侮れないレベルになってきました。昔のゲームの移植などはまだ容量が厳しい部分もあるようですが、オリジナル作品などでは十分遊べるものが作れるようになってきたみたいです。電池の消耗は激しいですが、その内あらゆる携帯ゲーム機より手軽に手に取れるハードになるのかもしれません。こういうところにこそ隠れた名作があるかもしれないので、ちょっと前から従量課金のものを中心に月一本ぐらいのペースでオリジナルタイトルをプレイしています。今までプレイしたのは、

ってな感じです。どれも突き抜けて面白いというほどではありませんが、300~500円という値段を考えればかなりのコストパフォーマンスかと。今ひとつオリジナリティに欠けるものや、3部作が多いのが気になるところではありますが、制作費とかを考えれば仕方ないところ…なのかな。

家庭用ゲームを作ってるメーカーからも、外伝的なタイトルとかがいろいろ出ているのでプレイしてみたいのですが、月額課金とかポイント制とかサーバー側データセーブとか通信頻度とか、どうも気になることが多くてなかなか踏み出せません。いくらかかるんだろう。パケット代は定額制があるとは言え、なかなか値下げされずに高いままですからね。

2008年6月8日(日):ヘラクレスの栄光 ~魂の証明~

DS用ソフト「ヘラクレスの栄光 ~魂の証明~」をクリアしたのでその感想など。以前はデータイーストから発売されていたRPG「ヘラクレスの栄光」シリーズの14年ぶりの新作で、商標を引き継いだパオンが開発を担当しています。主要人物が不死であるという設定と、魔法・スキル・アビリティ・エーテルなどの様々な要素を駆使した戦闘、シリーズ作品で定評のある野島氏によるシナリオなどが特徴的です。別にすごく好きなシリーズというわけでもなかったのですが、FC・SFC時代のRPGシリーズが復活するというもの珍しさから、思わず買ってしまいました。シリーズ作品は3と4をプレイ済みです。

あえて昔のシリーズ名を使っただけあって、過剰な演出にならないシンプルなセリフ、メロディ重視の音楽など、いい意味での昔っぽさが出ていました。一方で丁寧なチュートリアルや地図表示など、今風のものでも良い要素はしっかり取り込まれていて遊びやすいです。シリーズならではの独特の要素は鬱陶しくない程度に取り込まれ、シナリオは中盤以降に旧作のようないい感じの意外性を持ってきてくれます。

特殊能力を駆使する戦闘システムが面白いです。エーテルの影響を受ける魔法、特殊な効果が多いスキル、自動発動するアビリティの組み合わせによる作戦に加え、前列後列や場の属性とも言えるエーテル、大ダメージで敵を倒すオーバーキルによるMP回復といった要素と合わさって、かなり戦略性が高いです。単独で見れば目新しい要素は少ないものの、その組み合わせのバリエーションが非常に多く、色々と作戦を考えるのが楽しいです。そして、装備するだけで特殊能力が使えるようになるアイテムが非常に多く、弱いけど便利なアビリティが付いているから外せない、といった要素や、武器を選んでも盾を選んでも極めて効果の大きいサブウェポンの選択など、数多くのカスタマイズ要素が素晴らしいです。おかげで、テンポが悪くても最後まで飽きずにプレイできました。立てた作戦を試す相手も、ザコ敵もボス敵も全て個性的ですし、ボスをチーム力で上回るような強敵がランダムで出現して十分な歯応えです。

しかし、プレイした人のほとんどが同じことを感じるとは思うのですが、戦闘中の圧倒的なテンポの悪さはどうにかならなかったのでしょうか。魔法等の演出は多少のカットはできるもののものすごく長く、何らかの効果が発動した場合や、全体に効果があるエフェクトでもいちいち1つずつ順番に表示していくので、異常に時間がかかってしまいます。各エフェクトもそれぞれ中途半端に長い間があり、もう最悪です。加えて、タッチペンによる魔法強化や、敵に大ダメージを与えて倒した時のオーバーキル演出、ターン終了時の回復演出なども入ります。PS1時代の演出過多なRPGや、それ以前のノウハウが蓄積されていなかった時代のRPGでもこんなに酷いものはほとんどありませんでした。何が悲しくて全体攻撃でザコを一掃する間に、戦闘BGMを1ループも聴かなければいけないんでしょう。強敵が多数出現した場合などは、リアルに1戦闘あたり10分かかります。開発スタッフに誰か、テンポが遅すぎると指摘できる人はいなかったのでしょうか。このテンポの極端な悪さだけで、このゲームの印象が大きく損なわれてしまうほどでした。

タッチペンによる魔法強化のシステムは、取って付けたような印象を受けました。言ってみればシャドウハーツシリーズのジャッジメントリングのような要素なのですが、いちいちやることが長くて面倒くさいですし、リスクの割には効果もなかなか大きいので、緻密な戦闘ともなると使わざるを得ません。強化しないという選択肢があるのは幸いなのですが、「おまかせ」をタッチペンでわざわざ選択しなくてはいけないのはもはや欠陥の域です。ただでさえ戦闘のテンポが悪いのに、これで余計に悪くしてどうするんでしょう。

細かいインタフェース部分にも配慮の足りなさを感じました。まずはメニューの使い勝手が悪く、仲間の魔法を使うだけでも「MENU→戦闘準備→L・Rでキャラを選択→魔法→カテゴリ選択」といった感じでいちいち手間がかかりますし、あまり使いやすくありません。いちいちレスポンスも悪いですし、高速スクロール手段とかも無いのも面倒です。また、セーブするたびにいちいち「ゲームを終了しますか? A:はい B:いいえ」というのは、間違ってタイトルに戻ってしまう危険性があるだけで完全に不要です。3Dマップでのカメラの動きも悪く、家に出入りする度に視点が変わって迷ったり、そもそも視点が十字キーの方向と合っていなかったりします。全ての操作をタッチペンで行えるようにしたせいなんでしょうかね。とは言え、タッチペンでは移動がとにかく面倒なのであまり使う気にもなれません。こういう普通のRPGをわざわざタッチペンで操作するメリットは無いと思うのですが。戦闘経過のログ表示もアイディアとしては良さそうなのですが、戦闘中にポーズをかけないと確認できず、またコマンド入力中に確認する手段が分からない(無い?)のも中途半端ですね。

この他にも、特に序盤から中盤にかけて、連戦イベントなどの30分から2時間程度もセーブできないイベントが多数存在するというのは、いくらDS本体にスリープ機能があるとは言え、携帯ゲーム機のRPGとしてはあまりに前時代的です。もちろん中断機能なんてありません。20年近く前のゲームボーイのゲームでも実装していた機能が無いとは。ハマり防止策なのかもしれませんが、別の防止策はいくらでも存在しますし、セーブできないほうがよっぽど困ります。戦闘のテンポの悪さ、飽きの来る連戦、セーブできないという状況に加え、歯応えのある敵が一度に大量に出現することがあるものだから、相当なストレスを感じることが何度もありました。完全に一本道なのは迷わない今風の作りかもしれませんが、前の町に戻れないというのは残念でした。

確かに昔ながらの良さと現代の良さを併せ持った面白いゲームなのですが、細かい部分への配慮があまりにも酷いゲームでした。戦闘が平均的なRPG並のスピードなら、冗談抜きで総プレイ時間は10時間ぐらい違ったのでは…。DSのタッチペンや2画面も、無理に使おうとして中途半端になるDS初期の雰囲気で、良い部分だけでなく、悪い部分まで昔のものと今のものが融合されてしまった感じですね。それと、せっかく長期戦も面白い戦闘システムなので、ボス戦はもうちょっと歯応えが欲しかったです。これで快適にプレイできるゲームなら、RPG好きにはかなりオススメというレベルの良作と言えるぐらいだっただけに、実に惜しいです。

2008年6月4日(水):ドンキーコング64

N64用ソフト「ドンキーコング64」をクリアしたのでその感想など。スーパードンキーコングをマリオワールドのコング版とするならば、マリオ64のコング版といった感じの3Dアクションです。それぞれに固有の能力や個別の収集アイテムがある5匹のコングや、射撃等のアイテムを使った多彩なアクション、探索を重視した豊富な収集要素、なんとも欧米なノリなどが特徴的です。一部のゲームを動かすのに必要な「メモリー拡張パック」とセットになったものが珍しく安く売っていたので、どちらかというと拡張パック狙いで購入してみました。

マリオ64をしっかりお手本にして作っているようで、3Dアクションとして必要なものは一通り揃っています。メモリー拡張パック必須なだけあって、グラフィックは綺麗で動きも滑らかです。操作形態はマリオ64と大きな違いはなく、経験者なら基本動作については大して戸惑うことなくプレイできるでしょう。ステージ構成はいくつかのエリアに分けて考えることができ、ワープゾーンもいくつかあるため、当然迷う最初以外は把握しやすいようになっているのが好印象でした。ステージの端の処理も綺麗になっていました。

ステージ数は7ステージ+広大な基本フィールドしかないものの、収集要素やミニゲームが大量に入っており、かなりボリュームのあるゲームでした。コンプリートを目指すなら、50時間程度は遊べるのではないでしょうか。私は適当に集めながら進めましたが(クリア時77%)、それでも約30時間かかりました。さらには対戦モードなどのオマケ要素も入っており、気に入った人なら相当長く遊べます。

ミニゲームが多すぎるほど大量に入っており、序盤はまだしも中盤以降は難易度がエスカレートし、そのやけに難しいミニゲームがアイテム収集の大きな障害となってしまいます。ミニゲームを発見するのにも結構手間がかかるのに、やっと見つけたと思ったら足止めされ、イライラします。特にミニゲーム扱いとして収録されている、1981年稼動のアーケード版ドンキーコングともう一本のレトロゲーは、ゲーム自体は確かに歴史的意義のある名作でしょうが、本編をクリアするためにプレイを強要されるとなると鬱陶しいだけです。おかげでアーケード版ドンキーコングは、邪魔臭いゲームという、変なイメージが植え付けられてしまいました。さらには、最終ボス戦までもミニゲームの延長のようなルールとなっており、それが失敗したら最初からやり直しの連戦になるというので、激しくやる気を削がれました。息抜き程度ならまだしも、中途半端なミニゲームをこんなに入れられても全く楽しくありません。

操作性にも不満が残りました。キャラの個性という部分もあるのかもしれませんが、若干操作感が重く、ちょっとしたところで慣性がかかったり、動き出しにためがあると言うかレスポンスが悪い部分があるなど、動きが制限されているようでプレイしていて爽快感がありません。水中やジェットパックを用いた空中の操作が、不必要に難しいのも気になりました。カメラの動きもイマイチで、ただでさえ奥行きが認識しづらい画面なのに、マリオ64以上に思った位置から映すことが出来ず、ここでも無駄に難易度が上がる結果となってしまいました。もう少し気持ちよくプレイできればよかったのですが。それと、キャラが5匹いるのもいちいち面倒臭いというイメージを受けました。

難易度の上がり方には、スーパードンキーコングシリーズで見られたバランスの良さを感じられませんでした。序盤から足場渡りなどで結構高いレベルのアクションを要求されるものの、中盤以降に要求される水準も同じ程度です。敵の配置は徐々にいやらしくなっていくものの、周囲の敵を一掃する「楽器」によって何の意味もなくなっています。難しくなるのは、探索の複雑さとノルマの高さ、そしてミニゲームばかりでした。おかげで今ひとつ上達する楽しさを味わえませんでした。

最初は面白かったものの、徐々に面倒臭さが強くなっていき、クリアした時には「やっと終わった」という感じでした。探索メインの3Dアクションとしてはまずまず良く出来てはいますが、マリオをプレイすれば十分かなという感じです。探索の面白さよりも、多すぎる収集要素とミニゲームの面倒くささの印象の方が強くなってしまいました。探索、ミニゲーム、ボス戦と、何をするにも時間がかかりすぎます。あとは、オープニングの「モンキーラップ」という歌に代表される洋ゲーの雰囲気に馴染めるかどうかが問題ですね。あれはあれで色んな意味で面白いのですが。個人的にはスーパードンキーコングシリーズのほうが好きでした。

みどりすたいる雑記>2008年6月
最終更新:2008年6月30日 制作:ちょこた