黄金の魔王モンスターフレンズの感想 – サックサクな基本無料RPG

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ケムコのAndroid用基本無料RPG「黄金の魔王 モンスターフレンズ(公式サイト)」の感想など。ケムコは今まで課金要素はあるものの昔ながらのRPGをリリースしてきました。ですがここにきて時代の流れなのか初めてスタミナ制、ガチャあり、ステージクリア型という今時の基本無料ゲームが出ました。ドット絵を多用したグラフィックや、オフラインでも最後まで遊べるという仕組みが特徴的です。開発はワールドワイドソフトウェア。

昔ながらのRPGの楽しさとスマホゲーの手軽さの融合を目指した作品ということでしたし、ケムコなら普通のスマホゲーとは違うかもという期待もあり、とりあえずやってみることにしました。配信初日からプレイし、無課金で本編のラスボスまではクリアしました。一応お約束の招待コードは wraJltZ8KT です。

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こののどかな雰囲気。ボタンの配置なんかはありがちですが、このゆるさ加減は結構好きです。モンスターのデザインにしても、ありがちな露出度が高い女性キャラばかりということはなく、なんともまったりとした世界観です。オフラインでも遊べるようになっているため、押し付けがましい協力要素や、札束で殴り合う対戦要素も特にありません。フレンド機能はフォロー制のゆるいものです。常に刺激!刺激!刺激!というゲームに慣れたスマホゲーマーには物足りないかもしれませんが、これぐらいが丁度良いと思うんですよね。

もちろんガチャはありますが、道中でもガチャで入手できるクラスの強力なモンスターを入手する機会はあるので、じゃぶじゃぶ課金せずとも十分な戦力を整えることが可能です。どちらかというとバリエーションやコレクションを楽しみたいプレイヤー向けです。ガチャ自体もレア排出率がかなり高く設定されており、良心的な部類に入るでしょう。

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戦闘はローテーションバトルというちょっと変わったシステムが採用されています。3×3のマス目が用意されており、味方キャラをその中で一定時間だけ移動させることができるというもの。敵の攻撃範囲が常に予告されており、その範囲の外に出るだけで回避することができますが、移動せずに制限時間を多く残せば攻撃力が大きく上がる仕組みです。

全員を事前に決められている陣形に並べることで、強力な超必殺技ゲージを溜める要素もあります。さらには敵は広範囲攻撃やマス目にかかる状態異常なんかも使ってくるので、速攻をかけるかじっくり倒すか、ボスに備えてゲージを溜めるか、相手によって作戦を変えていくのが楽しいです。回避するにしてもタップ連打しないと壊せない障害物があり、どのタイミングで破壊するかなど、思いのほかやることは多いです。

テンポが非常に良いのも特徴的。最初は何が起こっているのか分からないほどのスピードでターンが経過します。慣れても大体こんなもんかという程度でしか把握できませんが、そこまで緻密な数字のバランスでもないので問題にはなりません。本当にサクサクと進むので短時間で遊ぶのにもピッタリです。むしろサクサク進みすぎるものだから、何時間もかけて溜めたスタミナがものの数分で空になってしまうほどでした。物足りなく感じることもありますが、ソーシャルゲームにありがちな連続プレイを煽るような要素は無いので、のんびりやるのが丁度良いんでしょうね。

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仲間になるモンスターの種類は一応300種以上となっていますが、進化の段階違いやほぼ色違いのものがかなり多いため、実際はあまりバリエーションが無いように感じてしまいます。当然ながら課金ガチャ専用のものも多く、図鑑はあるもののコンプリートはかなり厳しいでしょう。ステージ数もこの手のゲームにしてはボリュームが少なめですし、ストーリーは薄いです。テンポのよさもあって、たっぷり遊ぶには様々な要素が物足りなく思えます。実際助っ人で出てくるプレイヤーの多くはすでに離れているみたいですし…。

ゲームバランスについても疑問を感じる部分が多く見受けられました。序盤は難易度が低すぎる上に、敵から得られる経験値が異様に低くて盛り上がりに欠けます。それが中盤あたりから突然インフレし始め、スタミナを消費しきる前にランクアップでスタミナ全快を繰り返して使い切れないという時期がありました。終盤にくるとモンスターや武器の強化にやけに手間がかかり、あれこれ試すような余裕はありません。素材はあってもお金が全然足りないなど、強化まわりが妙に窮屈なのは残念なところです。ボリューム不足もあって、全体的にまだまだ発展途上という印象でした。

王道RPGをずっと出してきたケムコ初のソーシャル系RPGということもあって、まずは実験作だったのかもしれません。それでもドットを使った懐かしい雰囲気や、しっかりRPGっぽくなっている戦闘なんかはいい味を出していて期待以上に楽しめました。とりあえずエンディングまでは無理なく遊べましたし、射幸心を煽る要素は控えめで安心してプレイできます。RPGメーカーには厳しい時代でしょうけれど、ケムコには安心して思う存分遊べるスマホゲーの形を模索していってもらいたいですね。