ラストランカーの感想 – ランクが全て、個性一点突破のRPG

4月1日までPSストアで350円セールをやっているということで、PSP用RPG「ラストランカー(公式サイト)」の感想など。戦士としての強さを示すランクこそが全てという世界観で、ランク1位を目指してランクを上げていくストーリーが特徴的です。パーティーが常に1人で、複数種の武器を使い分ける戦闘システムも独特です。開発はイメージエポック。前回のセールで安くなっていたので試してみました。小粒ながらも独特の要素が多く、なかなか新鮮な気持ちで楽しめました。

序盤から「ランクを上げる」という明確な目的があり、強くなるにつれてランクの数字がどんどん小さくなっていくのが視覚的にも分かりやすくて独特の雰囲気がありました。ランクによって街の人々の対応や住む場所も変わり、成り上がっていく感覚を堪能できます。ライバルになるキャラが個性的でそれぞれに違った憎たらしさや面倒くささがあり、倒してランクを奪っていくのも爽快感がありました。ストーリーは短めながら、他のゲームとはまた違った楽しさでした。

ランクを上げるのが目的ということで、どうランクを上げるか、誰から倒すかと考えて進めていくゲームかと思っていたのですが、戦える相手や受けられるクエストがストーリーの進行に応じて細かく決まっていて、自由度がほとんどない一本道なのはちょっと期待はずれでした。序盤から中盤にかけてのストーリーと、終盤のストーリーのノリがあまりにも違うのも残念でしたね。設定上すさまじく強いことになっている上位ランカー連中も強いことは強いものの、イマイチでしたし。

戦闘は主人公1人だけを操作するものながら、FF13やライトニングリターンズのようなシステムで、シンプルながらもできることが多いシステムでした。時間経過で溜まっていくゲージを一定量消費して、事前に設定した各種コマンドやガードをボタン1つで発動するのが特徴です。サブウェポンを2種類までセットできて、それによって戦闘スタイルが大きく変わるという要素もあります。設定上1対1の戦闘が多いことや、敵もそれぞれ違ったスタイルを持っているのが上手くシステムと融合されていました。

ただ、できることが多くてもやっぱり1人での戦闘なので、どうしても後半になると単調になってくる部分はありました。あれこれできても結局防御を固めながら篭手でブレイクし、トドメに奥義を撃ち込むのが汎用性が高くて楽なんですよね…。バランス面ではダメージなどの数字の伸びが小さく、ランクが上がってもそれほど強くなったことを実感できませんでした。上位ランカーがイマイチに感じたのはそのせいかもしれません。システム上あまり極端な数字にできなかったのかもしれませんがすごく地味に見えました。

設定とシステムの個性が際立っている、個性一点突破みたいなRPGで私は楽しめました。ボリュームはあまりないものの、これ以上長くても飽きそうですし丁度良かったと思います。フルプライスだと物足りないかもしれませんが、購入当時500円で現在350円、通常でも700円なら十分値段以上に楽しめます。イメエポはこれぐらい身の丈にあったコンセプトがしっかりしたRPGを作っていれば悪くなかったんですけどね…。