ブログをリニューアルしたってことで、せっかくだからゲームの感想を再開します。人間の書くものだから主観全開なのはご容赦くださいまし。プレイした直後のタイトルに加え、去年プレイして何も書いてなかったものや、昔書いたものの加筆修正版なんかも出していく予定です。
というわけで現在WiiU版のセールが行われているケムコのAndroid用RPG「アルファディア ジェネシス」の感想など。携帯アプリで展開されていたアルファディアシリーズの第6作目にしてシリーズ初のスマホオリジナル作品です。「エナジ」と呼ばれるエネルギー・魔法のようなものが軸となる世界観で、人工生命体である「エナジ体」のエナというキャラがシリーズを通して登場しているとか。ところどころ暗い展開もあるストーリーはこのシリーズならでは。シリーズでは初代だけプレイしたことがあります。
ケムコゲーにしては気合いの入ったプロモーションと3Dバトルに惹かれて発売日に購入してました。ティザーサイトを立ち上げるもほとんど話題にならなかったとか…げふげふ。起動直後にはデモ、イベントや戦闘では一部ボイスが入り、戦闘はまさかの3Dというあたりなかなかインパクトがありました。他のゲームとの兼ね合いなどで1年以上積みっぱなしになっていましたが、最近やっとクリアしました。
最大の特徴はケムコのスマホアプリでは(おそらく)初めて導入された3Dグラフィックによるバトルシーンです。低価格ゲームだけあってグラフィックはPS1よりはいいという程度で、エフェクトやモーションなんかもショボめ。ケイオスリングスなどと比べてしまうと微妙ですが、あえて安定の2Dから3Dに挑戦した意気込みは買いたいです。
戦闘システムは行動順表示のあるアクティブターン制。行動順表示がシンプルなので先を読んでどうこうというのはちょっと難しいですが、大技を使うタイミングや行動スピードが重要になってきます。全体的に技のコストは高いものの、回復アイテムが一般的なRPGと比較すると非常に安く、大量にアイテムをつぎ込んで大技を出しまくれる豪快なバランスになっています。基本的にゆるめのバランスですが、時々出現する大型化したモンスターやボスは手ごわいのでメリハリ十分です。
多段技でトドメを刺した敵にさらに攻撃を加えると、「オーバーキル」が発生してボーナスが得られるのも特徴的です。得られるボーナスはMPにあたる「EP」や経験値などで、特に後述する「エナジレベル」を上げるのに必要なSPを入手するには積極的に狙っていく必要があります。うまく使いこなせば多段技で消費したEPを回収しつつ、大量の経験値を得られる爽快感のあるシステムです。連続で表示される「OVER KILL」も爽快。一方で使いこなせないと成長が遅くて大変かもしれません。
控えキャラもある程度の役割を果たします。ゲージを溜めると控えキャラと連続して行動を行うサブメンバーアシストや、控えキャラの組み合わせによってパラメータアップなどのボーナスが得られるシステムもあります。サブメンバーアシストは行動がランダムなのであまり頼れませんが、EP消費がないのでターンが余った時などに有効活用できます。ボーナスはアクセサリと組み合わせると非常に高い効果がある組み合わせもあり、それを考慮してパーティ編成をするのもアリ。
属性ごとに「エナジレベル」が存在し、キャラごとにメイン属性一つと装備によるサブ属性をセットすることができます。エナジレベルが一定値に達すると特殊能力を覚えることができ、複数のレベルを上げることで習得できる強力な技も存在します。エナジレベル育成用のポイントは普通に敵を倒してもあまり得られず、オーバーキルによって入手できる量が大きく増える性質があります。ザコ戦でも効率よく育成するため、オーバーキルを狙ってちょっと頭を使うのが楽しいです。
旧作では属性は6種類もありましたが、今回は3つに統合されました。6つは多すぎて育てきれなかったのですが、3つだと今度は少なすぎてみんな同じ能力を使っている感じがしてしまいます。魔法のバリエーションも少ないような。このあたりはスマホ用ということでシンプルにまとめたのかもしれません。誰を使ってもそこそこの戦力になるので、キャラ選びの自由度は増していますね。オーバーキルがある分、どうしても多段技を持ってるキャラが便利になりますが。
フィールドは普通の2Dスタイルで表現されています。ダンジョンマップはありませんが、画面の拡大縮小に対応していて先を見通しながら進むなんてことが可能になっています。スマホゲーの手軽さとダンジョン探索の楽しさを両立させる工夫でしょうか。拡大するとマップに落ちている課金ポイントが見やすくなるオマケ要素も。
中盤以降ダンジョンの道がやたらと長くなり、しかも無意味に入り組んでいて疲れることが多々ありました。とにかくマップ内を長く長く歩かせ、プレイ時間を稼ごうという魂胆が見え見えでダルいです。ラストダンジョンあたりになるとマップ全体に道を張り巡らせないといけないという強迫観念でもあったんじゃないかと思うレベル。縮小表示で先を見通せるのが救いですかね。
ストーリーは前半のこの人たち恋愛にしか興味ないの?って展開がちょっと長すぎる気がしました。後半はなかなかハードな展開になっていくのですが、それでもやっぱり恋愛最優先みたいでそこは結構キツい…。ラブコメっぽいのが好きな人にはいいかも。それと原点回帰を目指したのか初代アルファディアを彷彿とさせる展開が多くちょっと懐かしかったです。パーティ構成も初代の構成をイメージしてるっぽい。
ボリュームは20時間程度と値段の割にはなかなかです。クリア後要素がいくつかあるのでその気になればもっと遊べそう。スマホゲーとしてはスケールが大きい割に全体的によくまとまった王道RPGでした。欲を言えばグラフィック以外の部分でもっと進化したRPGの形を見たかったですが、初代の色々と粗のあった頃と比べると完成度は格段に上がり、いい意味で「普通のRPG」になったと言えます。
ちなみにこのゲームは色々なプラットフォームに移植されており、スマホ以外ではWiiUをはじめ、Steam(英語)やクラウドゲームのG-clusterなんかでもプレイすることができるようです。ちょうど2月13日現在ではWiiUでセール対象になっていますし、PS1時代を思わせる王道RPGをやりたいという方は試してみてはいかがでしょうか。