無限のデュナミスの感想 – 暇つぶし向きのRPG

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ケムコの3DS用RPG「無限のデュナミス」をクリアしたので感想など。ガラケーアプリやスマホからの移植。ヒロインが半人半機という設定で、ヒロインに限りアイテムを使ってパラメータを強化できるのが特徴的です。ガラケー円熟期のアプリということで、ボリュームが大きくやりこみ要素も豊富に用意されています。開発はアルファディアやアスディバインシリーズなどのエグゼクリエイト社。

アプリでは量産型ゲームっぽく見えてあまり注目していなかったタイトルですが、3DSに移植されるぐらいなんだから人気があるんだろうと買ってみました。値段も1080円と高くはないですし。しかし3DSに移植されるケムコRPGはラインナップが読めませんね。

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ヒロインは半人半機という設定なので冒頭からこんな妙なシーンが。さらに見た目は18歳だけど実は33歳だったりしてなかなか型破りです。ヒロイン以外のメンバーも、やたら愛想の悪い主人公に38歳のオッサン、もはや年齢不詳のロリババアと、何とも言えないパーティーです。

ストーリー自体は悪い帝国をやっつけにいくというアプリRPGの王道なので、ちょっと変わった主人公達や、ロボットなどの機械が出てくる世界観が多少のアクセントにはなっています。会話は多すぎず少なすぎず、意外と悪ノリも控えめなので無難に楽しめました。

特筆すべきは元々ガラケーアプリだったのに20時間ぐらいかかるようなボリュームです。当時の落としきりのアプリといえば10時間前後のイメージなので、正直これだけ遊べるとは思っていませんでした。2周目要素やサブクエスト、闘技場なんかも用意されており、その気になればかなり長く遊べそうです。

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戦闘は王道のサイドビュー。グラフィックが大きめに描かれていて、アプリとしてはちょっぴり豪華な感じです。順番が回ってきたキャラからコマンドを入力していくタイプで、特殊能力によって発動に時間がかかるなどの要素があります。エグゼクリエイト作品の中では行動順が視覚的に予測しやすくなっていて遊びやすいです。

多段攻撃などでトドメを刺した相手に追撃することで、MP回復や報酬アップなどの効果が得られる「オーバーキル」や、ゲージを溜めることで任意のタイミングで行動できる「アクセル」などのシステムもあります。さらには通常攻撃を繰り返す定番のオートに加えて、前回の行動をリピートする機能、レベル差の大きいザコ敵を一瞬で倒す機能なども搭載。シンプルながらも飽きにくく快適な環境が考えられていました。

育成システムで特徴的なのが武器の熟練度システムです。武器を装備して熟練度を上げるとスキルを修得、というよくあるシステムですが、このゲームの場合はスキルを覚えた後も熟練度を上げ続けることができ、上げた分だけ攻撃力が加算されるという豪快なものになっています。

強化の上限は天井知らずで、好きな武器を最後まで使うことが可能です。最初は弱くても特殊な効果が付いた武器や、便利なスキルの行動速度を上げる武器など、武器はそれぞれ個性があります。どれを使っていくかはプレイヤー次第。やりこみにはピッタリの要素でしょう。

そのほかにもリングを装備して覚える魔法や、敵がたくさん落とすアイテムを消費してヒロインを強化するシステムなど、果てしなくやりこめそうな要素が満載です。

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グラフィックは昔ながらの2Dで安心して遊べます。ただ、画面写真では分かりにくいのですが、微妙に解像度が合っていないようであまり綺麗に見えないのが残念でした。ずれ方も不均一で無理やり移植したのが見え見えでした。フレームレートがガラケー準拠っぽい低さで、動きがガタガタしているのも気になりました。値段が安いとは言え、もうちょっと何とかしてほしいところです。

さらに全体的な動作の重さも難点です。最初はともかく、パーティーの人数が増えてくると明らかに動きが遅くなり、操作への反応も悪くなってしまいます。ガラケーアプリの操作性の悪さを再現していると解釈もできますが、そこは直してほしかったです。結構なストレスです。うちは初期型の3DSなので、もしかするとnew3DSなら快適なのかもしれません。確認できないので分かりませんが。

暇つぶしの需要をガラケーアプリが満たしていた頃のRPGという印象です。今でこそ暇つぶしは基本無料のスマホゲーに持っていかれた感がありますが、3DSで決まった金額で完全に自分のペースでチマチマやりたい人にはピッタリかと。やり込みに手を出さなくてもなかなかボリュームがあり、暇つぶしに向いているゲームでした。