FFワールドワイドワーズの感想 – 地味なまったりタイピングRPG

ffwww-02

スマホ用基本無料RPG「ファイナルファンタジー ワールドワイドワーズ(公式サイト)」の感想など。フリック入力で文字を打ち込むと敵を攻撃できるという、かなり前に流行ったタイピング練習ゲームをスマホ用にアレンジしたようなRPGです。グラフィックはなぜかシアトリズムFFCCのものが使用されており、BGMや表示される単語にもFFシリーズの要素が多く含まれています。昔のタイピングゲームが結構好きだったので、これも試してみました。

ffwww-04

タイピングバトルは、毎ターン表示される言葉をフリック入力していくシステムです。言葉の入力スピードによってダメージが増加し、ノーミスを続けていくとコンボが成立してダメージが大幅に伸びていくという仕組み。コンボボーナスが非常に大きく、文字入力の基本である正確性がとても重要になります。魔法などのアビリティ、事前に設定した名前を入力して発動させます。ボスとの掛け合いやランダムで発生するキャラの台詞を入力するとさらにダメージを与えられるという要素もあり。パーティの戦力も重要ですが、フリック入力の技術も要求されるので、フリック入力初心者の練習にはピッタリです。…が、プレイしすぎると指が疲れます。

その他の基本システムはよくある基本無料RPGの戦闘部分をタイピングゲームにしたもので、シンプルなスタミナ制、ガチャあり、ステージクリア型で進行します。それ以外の部分はかなり簡易化されていて、他のユーザーとの関わりや面倒くさい合成システムなんかは控えめです。装備に相当する「デコレーション」やアビリティの所持数にも最初からかなりの余裕があり、普通にプレイする分にはこの手のゲームにありがちな課金周りの窮屈さを感じず遊びやすいです。

バランスは割と大雑把で、低レアリティのキャラでも時間をかけて強化すれば最高レアリティまで上げることができますし、スタミナも無課金の範囲内で十分すぎるサイズまで拡張が可能と、良く言えば良心的、悪く言えばヌルい仕様です。かつては育成に時間だけがかかりすぎる傾向がありましたが、最近だとスタミナを多く投入して入手経験値を増やすシステムが導入されたほか、FFポータルアプリを利用することで貴重だった強化用アイテムが簡単に入手できるようになり、育成の難易度は緩和されています。

一方で時々イベントで設定を間違えたんじゃないかと思うほどの厳しい要素を出してくることもあり、バランスが安定しません。全プレイヤーで一定条件を満たすとレアアイテムの入手チャンスとなる黒チョコボが出現するという要素があるのですが、これが全プレイヤー共通でたったの10分というのも厳しいです。各種アイテムドロップ率が低すぎてやる気が失せる程ですが、たまにイベントで経験値は過剰なほどバラまいたり、どういうバランスを目指しているのか全く見えてきません。

全体的にやることが少ないのが寂しいところです。この手のゲームなら常に何かしらのイベントがあるものですが、1ヶ月ぐらい何のイベントも告知もないということもあり、一通りクリアしてしまうとのんびり育成するぐらいしかありません。シアトリズムのグラフィックを使用している関係でコラボイベントや驚きの新要素なんかも期待できませんし、ストーリーそのものがないのでイベントも物足りなく感じます。

ffwww-01

スマホゲーにしては恐ろしく地味なのも特徴的です。イベントも少ないですし、たまにやっていてもド派手な宣伝や射幸心を煽る演出などは無さすぎるほど。フレンドコードすら無いほどにソーシャル要素もほとんどないので見栄を張っても仕方がないのもあります。シアトリズムのグラフィックなのでガチャで高レアリティを引いてもやっぱり地味。戦闘もエフェクトといいシステムといい地味。知名度も低く、数あるFFシリーズの中でも最も影が薄い部類に入るんじゃないでしょうか。

一人で軽くまったりと遊ぶのに丁度良いゲームでした。私自身このゲームをプレイしてフリック入力のスピードと精度が向上しているのを実感できましたし、スマホ初心者がフリック入力を習得するには非常に適したゲームです。過剰にお金をむしり取られることもなく、スマホゲーの入門にも良さそうです。ただ運営のバランス感覚やスピード感がイマイチで、かなり過疎っているのも現状。採算が取れているかも怪しく、すぐにでもサービスが終わってしまうんじゃないか心配です…。

ffwww-03